積極財政
久々の更新。(エンデの遺言、以来になります。)
昨年12月のことですが、
「積極財政をどのように考えるか ―MMTに関する報告と討論―」
というWEBセミナーに参加しました。
経済学者の朴勝俊✕建部正義✕岡本英男が、積極財政やMMTの是非に迫るシンポジウム。
とのことでした。
朴先生の講義、そのダイジェスト版が、公益財団法人政治経済研究所のYoutubeチャンネルに
「財政破綻論」は本当か?
として掲載されています。
朴先生ご自身お気に入り?の、
政府と民間のバランスシート(資産負債部分のみ)を用いて、
『徴税とは何か』、
『国債とは何いやか』、
『徴税で国債を返すということは何を意味するか』
を説明してくださいました。

徴税は、世の中からお金を吸い上げる手段。
国債発行は、世の中にお金を供給する手段。
徴税で国債を返すという行為は、世の中からお金を少なくするということ。
国債を日銀が市中から買い取るということは、統合政府のバランスシート中の、
国債が準備預金に変わるだけ(マネーサプライの量には直接影響しない)など。
MMTや、積極財政に対して、
「すでに、アベノミクスで、こんなに金融緩和してるやん。まだばらまくつもり?」
「いやいや、アベノミクスは、ちっともマネーサプライ(世のお金の総額)を増やしていないのです」
といった会話が聞かれましたが、この図で説明されるとすっきりします。
(国債の日銀買取は、マネタリーベースを増やすが、マネーサプライは変わらない)
アベノミクス初期は、金利低下に作用することでマネーサプライの増加には寄与したかもしれないが、
その先は、財政出動を伴わない限り、マネーサプライの増加には寄与しない、ということのようだ。
結局は、
『お金って何なん?』に対しての認識。
すなわち、金本位制から管理通貨制にしくみは変わったが、
人は、モノとしてのお金、という認識から脱却出来ず、信用としてのお金を扱いかねている、
というのが、現在の状況なんだと思います。
①「貨幣は国家の創造物である」ことを認知した上で、
②財政政策は、未来への公共投資に使う
ことの合意形成が重要なnんだろうと思いました。
朴さんの講義は、1回で解った気にならず、10回ぐらい見ないといけないと思っています。
(そういった意味で、ダイジェスト版には入っていませんが、岡本英男さんの発言にも強く同意しました。)
ベーシックインカムの話、大西つねきの考え、エンデの話なんかにも連なる話です。