TPP関連法案の成立
結局、平成28年12月9日、TPP関連法案は参議院でも可決。成立ということになった。

採決で、山本太郎と森ゆうこは、牛歩で抵抗。(私は、安易な多数決による民主主義の冒涜に対する、ささやかな抵抗ととらえています。)
参議院で、「十分に中身の濃い議論をした。しつくした。」という人もいるが、どれだけの人が、議論を通して新たな知見を得たのか、考えを変えたのか?
あれだけの、参考人の方々の話を聞けば、新たな疑問、新たな考え、改善点、も出てきて当然だと思えるのだが、結局は、答えありきでの議論でしかないと言われてもしょうがない。
12月2日、12月6日、の参考人質疑を通して、医療、食の安全、など、人のいのちにかかわる問題が多数提起されたにもかかわらず、結局は、経済性(?)優先にゆるぎはない、という結論なのだろうか。
今回、一連の議論を聞かせてもらった後の、私の考えは、以下のとおり。
◆自由貿易、保護主義について
「自由貿易は経済の成長を促す。」は、基本的に正しい。
「国の役割は、国民の生命、生活を守ること。」も、もちろん正しい。
結論として、各国が自国民の生命、生活を守りつつ、各国の人々が共に持続的な成長を遂げるための自由貿易をすすめることには、積極的に関与すべき。
経済活動は、資本と労働の結びつきによりなされるもの。労働力はあるが資本が乏しい国、また、資本はあるが労働力が乏しい国が、労働や資本を流動化させることで、経済活動は活発になる。しかし、ここで気をつけなければならないのは、資本と労働の利益配分の問題。 まったく制約の無い状態では、資本の利益配分が最大化されることになり、これでは、資本主義、新自由主義という名の、植民地制度、奴隷制度、の肯定にほかならない。
◆多国間の連携による経済成長の例
これは、2種類あると思う。
1つめは、先進国(資本が潤沢、市場が成熟、労働単価は高い)と開発途上国(資本は少、市場小だが拡大の可能性あり、労働単価は小さい)の連携。
先進国が開発途上国に資本を投下し、途上国の労働力で経済活動を行う。 労働者に適正な分配が行われることで、途上国が急激に経済成長する。成長率に応じた収益を、先進国も享受する。 ある程度成長してしまえば、また、別の開発途上国で、同様の事がくりかえされてゆく。
2つめは、先進国同士、開発途上国同士で、得意分野の生産を分業する場合。 資源のある国、ない国、で産業を特化するなど。 この場合、国策とか国益とか、国家の安全保障、とか言われるような内容がかかわってくる。直接生命にかかわらない、嗜好品のようなものの国際分業なら良いが、食料、エネルギー、といった分野は、経済性のみで国際分業を促すものではない。医療や先端科学技術といった分野も、これに近い分野であろう。
◆米国が破棄するTPPを今、承認することについて
今回のTPPが、「国権を侵すことなく、適正な経済成長を促すためのもの」となっているのであれば、トランプ氏が反対だからといって、承認を見送ることは無いと思う。 が、「国権を侵すことなく」「適正な経済成長を促す」、に疑問を唱える人が多くいる中で、なにも、今、承認することは無いし、内容が内容なだけに、性急すぎると言われても仕方ないと思う。
国権を侵食すると言われる、ISD条項について、賛成者は、「日本は訴えられることは無い。仮に訴えられたとしても係争で負けることは無い。」と言い、反対者は、「訴えられるかどうかは、もっぱら相手側の都合。訴えられることは無い、なんて、なぜ言えるのか? もし、訴えられたら、係争の期間中は活動停止となる。それだけで訴えたほうには利益になることも多々ある。」と言う。
参考人質疑を通して、この辺の認識は、明らかになったと思うのだが、なぜ、考えを変える人が出てこないのか?
党議拘束があるのであれば、議論を尽くした後で、各党内でなぜもう一度議論がなされないのか。
民主主義への道はまだ遠いということなんでしょう。

採決で、山本太郎と森ゆうこは、牛歩で抵抗。(私は、安易な多数決による民主主義の冒涜に対する、ささやかな抵抗ととらえています。)
参議院で、「十分に中身の濃い議論をした。しつくした。」という人もいるが、どれだけの人が、議論を通して新たな知見を得たのか、考えを変えたのか?
あれだけの、参考人の方々の話を聞けば、新たな疑問、新たな考え、改善点、も出てきて当然だと思えるのだが、結局は、答えありきでの議論でしかないと言われてもしょうがない。
12月2日、12月6日、の参考人質疑を通して、医療、食の安全、など、人のいのちにかかわる問題が多数提起されたにもかかわらず、結局は、経済性(?)優先にゆるぎはない、という結論なのだろうか。
今回、一連の議論を聞かせてもらった後の、私の考えは、以下のとおり。
◆自由貿易、保護主義について
「自由貿易は経済の成長を促す。」は、基本的に正しい。
「国の役割は、国民の生命、生活を守ること。」も、もちろん正しい。
結論として、各国が自国民の生命、生活を守りつつ、各国の人々が共に持続的な成長を遂げるための自由貿易をすすめることには、積極的に関与すべき。
経済活動は、資本と労働の結びつきによりなされるもの。労働力はあるが資本が乏しい国、また、資本はあるが労働力が乏しい国が、労働や資本を流動化させることで、経済活動は活発になる。しかし、ここで気をつけなければならないのは、資本と労働の利益配分の問題。 まったく制約の無い状態では、資本の利益配分が最大化されることになり、これでは、資本主義、新自由主義という名の、植民地制度、奴隷制度、の肯定にほかならない。
◆多国間の連携による経済成長の例
これは、2種類あると思う。
1つめは、先進国(資本が潤沢、市場が成熟、労働単価は高い)と開発途上国(資本は少、市場小だが拡大の可能性あり、労働単価は小さい)の連携。
先進国が開発途上国に資本を投下し、途上国の労働力で経済活動を行う。 労働者に適正な分配が行われることで、途上国が急激に経済成長する。成長率に応じた収益を、先進国も享受する。 ある程度成長してしまえば、また、別の開発途上国で、同様の事がくりかえされてゆく。
2つめは、先進国同士、開発途上国同士で、得意分野の生産を分業する場合。 資源のある国、ない国、で産業を特化するなど。 この場合、国策とか国益とか、国家の安全保障、とか言われるような内容がかかわってくる。直接生命にかかわらない、嗜好品のようなものの国際分業なら良いが、食料、エネルギー、といった分野は、経済性のみで国際分業を促すものではない。医療や先端科学技術といった分野も、これに近い分野であろう。
◆米国が破棄するTPPを今、承認することについて
今回のTPPが、「国権を侵すことなく、適正な経済成長を促すためのもの」となっているのであれば、トランプ氏が反対だからといって、承認を見送ることは無いと思う。 が、「国権を侵すことなく」「適正な経済成長を促す」、に疑問を唱える人が多くいる中で、なにも、今、承認することは無いし、内容が内容なだけに、性急すぎると言われても仕方ないと思う。
国権を侵食すると言われる、ISD条項について、賛成者は、「日本は訴えられることは無い。仮に訴えられたとしても係争で負けることは無い。」と言い、反対者は、「訴えられるかどうかは、もっぱら相手側の都合。訴えられることは無い、なんて、なぜ言えるのか? もし、訴えられたら、係争の期間中は活動停止となる。それだけで訴えたほうには利益になることも多々ある。」と言う。
参考人質疑を通して、この辺の認識は、明らかになったと思うのだが、なぜ、考えを変える人が出てこないのか?
党議拘束があるのであれば、議論を尽くした後で、各党内でなぜもう一度議論がなされないのか。
民主主義への道はまだ遠いということなんでしょう。