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H30-9報告2 公共施設等総合管理計画と複合施設整備

平成30年第三回定例会議会報告その2

三宅は、公共建築物の総面積を削減することは極めて困難???
他の町村は?

特に行政をウオッチしているわけでない場合、複合施設整備と言われてもピンと来ないでしょう。

「複合施設整備」は、今年度予算で、基本計画の策定として716万円の予算をつけているもので、要は、数年前に閉鎖となった児童館、老朽化した中央公民館、に加えてその他必要な公共施設の機能を備えた複合施設を建設しようという話です。716万は計画策定であり、実際につくるとなると、何億という投資になると思われます。(伴堂池近くの消防建屋でも100坪、1億かけていますので。)

 事の発端は、学童保育を行なっていたつながり総合センター(児童館)が、耐震性の問題から閉鎖され、児童館活動は停止、学童保育は一時避難的に小学校の教室を使って継続とされたところにあります。

 時の町長は、学童施設のみの建設を計画しましたが、その後、町長が代わり、ゼロベースでの見直しが行なわれ、「学童保育のみの建物でなく複合施設として検討する。」ということになりました。

 複合施設としての検討は、昨年、複合施設整備基本構想としてまとめられ、今年度に、複合施設整備基本計画を作成する、ということになっています。

また、時を同じくして、「公共施設等総合管理計画」というものが作成されました。
これは、全国的に高度成長期に作られた公共施設の老朽化が迫っていることに加えて、高齢化や、今後の人口減少に対して、公共施設をどのように管理してゆくかが各地で問題になってきており、三宅町でも、町の持つ設備に対して、統廃合も含めて持続可能な形を求めてゆくための計画ということになっています。したがって、「複合施設としての検討」は、すなわち、「持続可能な公共施設」として検討、であるべきものです。住民に何が欲しいかを問う前に、どのようなものなら持続可能かを、先に示すべきです。

ここで、県内の「公共施設等総合管理計画」の状況をかいつまんで少し紹介したいと思います。

お隣の川西町では
 「今のままでは、施設・インフラ(道路、上下水道等)の維持(長期修繕+建て替え)に8億かかる。現在、公共施設等の整備の財源となる投資的経費は8.6億円。今後の財源の減少を考えて、公共建築物の延床面積を40年間で10%削減を目標とする。」

人口が4倍ほどある、田原本町では
 「更新コストは、年平均26.6億。これは経費実績の1.3倍。公共施設の総量の適正化(縮減)や長寿命化を図る。」

広陵町は
 「公共施設の更新コストは、年10.6億円。近年の投資的経費の年平均は7.5億円。3割が不足することになり、延床面積を30%削減する必要がある。さらに、人口減等その他の要因を加味すると延床面積を半分ぐらいにする必要があるが、それは極めて困難なので、本町の事情を考慮した縮減可能な施設の検討を行なう。」

なお、黒滝村では
 「更新コストは年2.3億円で、現在の4.4倍。将来の人口減を加味すると9.1倍の金額。インフラとしての道路、橋梁の廃止・縮減は現実的に難しいが、施設の保有量の削減は、不可欠となる。」

といった感じ。どこも大変さがにじみ出ている。(三宅町も本来は大変なはず。)

ちなみに、三宅町での結論は、
 「公共施設の更新に約3.8億、インフラ更新に約3.5億。ただ、公共施設は、「公営住宅」31%、「学校」22%、「保険福祉」21%と、上位の3用途だけで全体の7割以上を占めており、削減の難しい用途が大部分を占めるという状況の中では、公共建築物の総面積を削減することは、極めて困難であると考えられます。そのため、劣化・老朽化した建築物の廃止等、一定の公共施設の削減の検討を行なう一方で、効率的な維持管理による施設の長寿命化、施設の複合化・多機能化や民間活力の導入による整備運営コストの削減など、中長期的視点での財政負担の軽減・平準化を図るための公共建築物の合理化を推進する必要があります。 。。。」
というもの。(近年の投資的経費がいくらだったのかの言及はありません。)

というのも、H29年3月の発行時点では、公共施設3600万、インフラ1億3000万、とかになっていて、私も、パブコメで、
「総額2億程度なら、捻出可能額だろう。道路が更新費用の大半を占めるようだが、果たして生活道路のどこまでがカウントされているか精査が必要。」とコメントしていました。

ところが、今回、いろいろと話を聞かせてもらってゆく中で実は、更新費用は7億ということに修正されたということ。

そういうことなら、どこまで削る必要があるのか、費用実績も必要となってくる。結論としても、「削減は極めて困難。」で終わらせて良いとは思えない。


まず、
 施設の長寿命化は必須。鉄筋コンクリートの建物を60年で建替えは勿体ない。1.5倍持たせれば、コスト3割削減の効果がある。

他に、
  ・施設の複合化は、まず、既存施設の複合利用を考えるべき
  ・あざさ苑を公民館機能として利用する。(現在は福祉施設)
  ・児童館は無くなったが、それに合わせて児童館活動が休止状態にある。あざさ苑で児童館活動を行なうことができないのか?
  ・中央公民館が老朽化しているのは確か。小学校の校舎は、複合利用できないのか。桜井市の小学校では、別の入り口を作って、学校教室の一部をコミュニティルームとして利用。地域の集会場代わりに使っていると聞く。
  ・逆に、各地にある公民館分館は、中央公民館の補助役に利用できないのか
   すなわち、住民が打ち合わせスペースや、活動スペースを欲した場合に、大字の公民館分館をもっと活用できるようにできないか?(空き情報の共有や、大字のものでなく、みんなのものという意識を広めるとかソフト面での問題が多くあるように思う。)

今の複合施設整備の基本構想でも、これらへの言及は無く、複合施設を作ることが前提となって、「どんな機能のものをどこに作ればよいか」に終始しているように見受ける。

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テーマ : 都市計画・まちづくり
ジャンル : 政治・経済

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松本健(まつもと たけし)です。

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E-mail. matsumo.take@gmail.com

プロフィール
松本 健(まつもと たけし)

松本健(まつもと たけし)

昭和37年11月12日生まれ
三宅小学校、式下中学校卒業の後、奈良県立畝傍高等学校を卒業。
昭和60年に大阪大学工学部を卒業ののち、民間企業に入社。
主に神奈川県川崎市でマイクロプロセッサの設計、開発に従事。
2011年5月、同社に26年間勤務の後、故郷三宅町に戻り現在に至る。
2016年7月より、町議会議員として活動を開始。
妻と小学生の子ども1人に高齢の父の4人暮らし。三河在住。

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