山下新知事(奈良県)の就任記者会見を見て(3)
さらに続いて、
1.山下新知事の記者会見を見ての山下評
2.県立工科大学のこと
3.大和平野中央プロジェクト見直しの観点
の3つめです。
大和平野中央プロジェクトの見直し
山下新知事は、磯城郡3町の大和平野中央プロジェクトの見直しのため、地元との協議を開始するとしています。
見直しするとして、以下の2つの観点から、山下新知事は地元と協議していただきたい。
①大学を作るという事自体の意義
私は、今更、スタンフォード、日本のシリコンバレーは無理だし、大学生を集めることだけでもしんどいだろうと思っています。
可能性があるのは、リカレント(学びなおしの)教育。
一旦働いた後、学びなおそうとする者を対象にして、もちろん授業料無償で門戸を開く。(生活費も保障しても良いぐらい)
現在の、教育期間をおよそ20代までとしてその後は働くというのは、一旦職についたらその道をきわめるといった社会には有効だったと思うが、変化のめまぐるしい社会には適合しない。
生涯教育で、学んで働いて、また学んで働いて、が有効。
20歳そこそこの人間に起業しろというのもまたしんどい話。
リカレント教育の体制を早く作ったところが競争に生き残れるといっても過言ではない。
また、子どもを持って思ったことですが、今の一本道の就学のレールでは、東大寺や西大和などのいわゆるお利口さんを社会の主戦力として扱う。
彼らは、年齢なりにソツなく理解も早く、物事もこなす。
一方で、一つ事にこだわりを持って考え込むような子は、そのルートには乗れない。
遅咲き才能を開花させるような子には、今の進学ルートは厳しい。
これらの人材を、日本の人的潜在能力として発掘してゆくことは有効。
日本は、学びの期間と働く期間が結構明確に分かれている。
もっと、一旦働いてから学びなおす、や、自身の成長に合わせて学びを行なうこと、は上の点からだけでなく、子どもの育ち、生きやすさ、の観点からも重要だと思う。
学びのレールが一本道なのは、子どもにとって窮屈だし、社会にとっても有用ではない。
②大和平野中央部をこれからどうしてゆくのか? (目指す奈良)
記者会見の端々で感じられたのは、山下新知事にとって奈良は、奈良市であり生駒市であるのではないかという懸念。
関西広域連合に則加入。
今や高校、大学は関西広域で考えるべき。
大和平野中央では、大阪や京都から人を呼ぶには地理的に不適。
教育(授業料無償などの事だと思う)を、せめて京都や大阪並にする。
奈良や生駒は、大阪の商圏としてベットタウンとして、大阪に近い暮らしをさせる、というか、関西圏全体で考える。
中南和部は、別の生き方をしてもらう。という風に思っているのだろうか?
農業は重要、とか言っているが、真剣に奈良で農業で生きてゆけるようにする気があるのかどうか?
日本の構造問題にかかわるところだが、県民に広く付託された者であるならば何か絵を描くべき。
中南和の各市部をもっと自立的な永住圏にする方策は必要で、大和平野中央部にも何かの売りを作ることは、費用対効果を越えた話であると思う。
腹をくくって、日本の再建のために、リカレント教育中心の大学をこの大和平野中央部に作ることに賭けてみませんか、山下知事!
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