R4 3月三宅町議会の報告②
前回にひきつづき、令和4年三宅町議会第一回定例会(3月議会)の報告です。
◎本会議での討論②
最終日(採決の日)に、「討論」という形で自分が賛成か反対か、その理由はどういうものか、を述べることができます。(討論、というものの、議論するわけではありません。)
【最終日、承認2 住民訴訟の弁護士費用等の専決(反対)、
議案1 一般会計予算(賛成だが一言)、
議案15 役場の人事評価制度関連(反対)】
承認第2号 専決処分の承認について、反対の立場から討論します。
本件は、令和2年10月に行われたプロポーザル方式の業者選定において、審査会閉会後に選定結果が変更されたという事について、令和3年3月に議会からの監査請求の後、令和3年9月に住民監査請求を経て、住民訴訟となり、町がそれに受けて立つための弁護士選任に関する予算措置を専決したというものです。
令和3年9月の住民監査請求に対する監査結果(といっても棄却ですが、)をあらためて確認しました。
その中には、「事実関係」として、「27日に作成された審査委員6名の採点表及び集計表の書類が担当課において決裁後廃棄されていた。」という記述があります。また、27日の審査会議事録には、「採点表は別紙のとおり」、となっているものの、その別紙が現在は「不存在」であるというのが町の見解でありました。
これら2つの事は、「決裁後に決裁済の文書を担当課が廃棄した。」という事を暗に示すものであり、まことにゆゆしき事態であります。
今回、住民訴訟に至った理由の中には、
「事実を解明し、公表しようとしない行政の態度」
「監査に頼らずとも、その後、時間は十分にあったにもかかわらず、みずから再調査すべきである事を怠った責任」
が多分に含まれるものと考えられます。
また、今回、弁護士費用を公費で負担するという判断には、反省の姿勢が全くみられないと思われても仕方ありません。
真実の解明は、司法の場に委ねられることになりますが、上の理由から、弁護士費用を公費で負担することには、賛成しかねます。
また、議案第1号 令和4年度一般会計予算については、少数意見にあったミーモ運営に関して全く同感であり、役場には猛省を促したいところですが、予算自体をどうこうという物ではないので、議案には賛成させていただきますが、一言述べさせていただきます。
今回、ミーモ運営に関連して、いろいろと事情を確認することがありました。
住民視線からは、
・わからないところでいつの間にか物事が決まっていて、それを、あたかも総意のように発表すること。
・役場の隠蔽体質
・責任の所在が不明確。全ては町長の責任と言うが軽すぎる。失敗事例を深堀りすることがなされているのかどうか不安を拭い去れない。
と見えると声を聞きます。
私には、これらの本質は、昨年のプロポーザルの話と同じに見え、あの事件をもっと追求できなかった事を後悔、悔やまれて仕方がありません。
奇しくも、今回、予算方針には、いろいろとある中、その1つに「失敗を経験に」というのがあります。この方針を深く受け止めていただきたい。
また、「失敗を経験に」も結構な事ですが、「失敗はすぐにその場で改める」事が大切です。「喉元過ぎれば熱さ忘れる」のことわざもあります。そういうことの無いように、お願いしておきます。
それから、議案第15号 「職員の分限に関する手続き及び効果に関する条例の一部を改正する条例の制定について」についてですが、
これは、人事評価を分限にも反映させるためのものであり、妥当と考えていましたが、本日、今までに述べた2件の事件の本質を考えた場合、時期尚早と考えるに至りました。 ということで、反対の立場で討論をさせていただきます。
コミュニケーションに問題のある職場で、人事評価制度が先行する事は、さらなる悲劇をもたらしかねません。
まずは、だれもが言いたいことが言える事はあたりまえ。
人ひとりを大切にする職場である条件の下で、職員の力を結集して事業にあたるという風土を育てるのが先決と考え、反対させていただきます。
※つぶやき
プロポーザル審査の件は、やはり「何かが隠されている」という感を拭いさることができません。(過去記事参照)
小さな組織といえども、役場全体では100人程度の人間が存在し、働いているわけで、「おかしなこと」は、通常、蓋をし続けれるものではありません。(少なくとも私は、そう思っていました。) 以前からの、小さなムラ組織に見られる自由にものが言えない文化、や、昨今の中央省庁に見られるモラル低下の影響、があるのかもしれません。
今回のミーモの事件(地域おこし協力隊の離職)も、私には根は同じと写っています。
『行政は、世の中の専門家と言われる人々の意見を、今までの人間社会の知の蓄積として、広く取り入れてものごとを決めてゆくものであってほしい。』
最近、私が気に入っている言葉の一つです。
せっかく、これまで人々が汗をかいて人間社会の英知を高めてきているのに、それを活かすことなく、物事を決めて事業が推し進めれられる。これこそが、大いなるムダ。もったいないこと。人間社会の英知を活かすためには、せっかく、何かやりたいと集まってきてくれた人が、「もういいわ」と言って去ってゆくような風土はもってのほか。まずは、100人が100人なりに、言いたいことが言えて、十分に議論出来て、人として社会に貢献できる組織であってほしいものです。
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