三宅町が「スーパーシティ」に!?
奈良県立大学の理工系学部が近鉄石見駅付近に誘致されて、三宅町がスーパーシティになる?!
否、スーパーシティは、住民がみずからの手でしか作れないもの。
令和3年11月5日、「大和平野中央スーパーシティ構想コンソーシアムキックオフ会議」があり、県と磯城3町が『スーパーシティ』への道を歩みはじめました。

ところで、「スーパーシティ」って何なのでしょう?
関連するキーワードに、スーパーシティ法案(正式名「国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案」)、スーパーシティ構想、スマートシティ、などがあります。
イメージとしては、IT等の先端技術を町レベルで実装して利便性を上げ経済発展を図るといったスマートシティを、より強力にしたものがスーパーシティ構想であり、内閣府のWEBでは、それを、「まるごと未来都市」と言い、荒井知事は答弁の中で、「先端的サービスの実行と広範囲かつ大胆な規制制度改革」がポイントと言っています。
スーパーシティ法案は、2019年に2回にわたり廃案となった後、2020年5月にコロナ禍の中で可決されたもので、強い反対意見も出ていたものです。正式名が、国家戦略特別区域法の改正法案であり、そもそも特区は、経済活性化のために特別にその区域だけ規制を緩めるというものです。スーパーシティでは、その規制緩和をより広範囲に強力に進める代わりに、地元の議会や住民の合意が前提となるようです。
そもそもは、奈良県立大学の理工系学部を設置(誘致)する話だったのが、県が大学のコンセプトを、「スタートアップビレッジ」とし、就学のみならず、その先の起業、産業育成につなげようという話になり、その後、スーパーシティ構想に手をあげようという風になっていったようです。
この11月の県議会で、今井光子議員が、知事に質問されています。
「なぜ、急に、スーパーシティ構想になったのか?」
「スーパーシティは、十分な住民合意が必要なものと考えるが、いかがなものか?」
それに対し、荒井知事は、
「大和平野中央プロジェクトのR4年の予算要求を国に出した時に、スーパーシティを紹介された。目指すところが似通っており、今年度、再募集があるとのことで判断した。」
「大和平野中央プロジェクトは地元からは熱い支援を受けている。それをさらに進めるスーパーシティでも3町から熱い支援をいただいている。ひきつづき、各町長には地域住民の意見を広く聞き、把握していただき、県としても各町と連携して取り組んでまいりたい。」
と答弁されています。
一方、町のほうでは、私が12月議会で質問に立ちましたが、基本方針として、
「県が進めるスタートアップビレッジの構築を共に目指す。」で、
住民参画については、
「地域の皆様方とは今までにもまちづくりトークやタウンミーティング等を通じて本プロジェクトへのご意見等を頂戴し県へもそれらをお伝えしている。今後も都度意見交換の場を設けてまいりたい。」という回答。
加えて、住民の間で大学を核にしたまちづくりの議論が沸いてくるような仕組み作りについて
問うたところ、「ご意見として承って今後の検討材料の一つとさせていただきます。」という回答でした。
私も、住民の行政への参画について、行政のほうから手取り足取りとやかく言うものではない。行政が出来るのは、背中を押すような行為だけであり、要は住民の本気度、何人の住民が本気になるか、だと思っています。
住民の側から、このスーパーシティの話を、ポジティブに受け止めつつ、良い点、注意する点を広く深く学び、また、いろんなアイデアを出し合って、進めてゆかねばなりません。もちろん、私も、その先頭に立って、やってゆきたいと思っています。
スーパーシティ話が契機となって、三宅町に住民自治の花が咲き乱れることこそ、別の意味で、『三宅町がスーパーシティになる!』のかな、と思ったりしています。
この機会に、他市町村の提案内容や、企業(NECやアクセンチュア、ほか)、海外の例、そして、警鐘を鳴らす記事、などから多くを吸収して夢を膨らませてゆきたいと思います。
参考資料
◆スーパーシティ関連
◆奈良県議会
・11月定例会、12月7日、代表質問、今井議員 スーパーシティの質問 今井議員の29分ごろ
・9月定例会 10月8日、補正予算 スーパーシティのコンソーシアムの企画運営委託への反対意見 10/8の25分ごろ
◆三宅町議会(会議録)
奈良県立大学の磯城郡への設置について、三宅町としての精査状況の質問(大学側の提案(規模、分野、学部数、成算)、県の目指すもの、町の目指すもの)P59~
奈良県立大学誘致の進捗について P56~
◆スーパーシティ関連(参考)
※他にも、「スーパーシティ」で検索すると、1次募集を見直して2次募集を出した自治体の記事が、たくさん出てきます。 よそは、あんな事考えているんだ、こんな事考えているんだと、正月に、一個一個読んでみるのもおもしろいと思います。