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H29年3月議会報告(その3)

今回は、「H29年度予算の個々案件について」記します。

3月の議会では、すべての議案に賛成し予算もそのまま承認されましたが、
もちろんの事ながら、すべて問題なしというわけではなく、個々に注文を
つけたところがありました。

すなわち、「予算に反対というわけではないが、明らかに高すぎる、
であったり、説明が十分でない。予算が通ったからといって、全額使い
切れるものとは思わずに、業務を遂行してください。」という部分が、
いくらかあったという事です。

これらの個々案件については、執行過程で再度説明を求めたり、
執行状況を適時ウオッチしてゆくことで、議会としての機能を果たし
てゆきたいと考えています。

大きいもの、小さいもの、具体的なもの、抽象的なもの、さまざま
ですが、以下に列挙します。それぞれで、その分野に詳しい方、
ご意見をお待ちしております。

1.マラソンの計測システム(委託料)に78万円。
 計測システムの導入には賛否両論あると思う。しかし、入れるに
してもコストを考慮すべき。昨年が50万円ほど。今年は、78万円
の予算を確保。
300人の大会で、一人2000円とかかけていることになる。
もっと導入コストを下げる努力をした上でお金を使ってほしい。

2.電算システム保守料
 総務、町づくり関係で6500万/年とのこと。福祉、教育、ほか、
入れると一体いくらになるのか。 1億は超えるのではなかろうか。
数ヶ月前にあった公共施設管理計画の中では、公共施設の維持
管理として一番大きいのは、道路で、年間1億円程度、という話が
あった。 道路の維持と比較(補助金の入り具合も含めて)し、
現状を明らかにした上で、コスト削減の方策(3年、5年のレベル
になると思う)を立てて、報告してほしい。

3.広報みやけ委託料 500万
 昨年までは、印刷代だけ。今年は、紙面レイアウトを含めての委託
とのこと。内容と効果を、執行過程で報告。また、この先の内製化
など、方向づけが必要。

4.つながり総合センター跡地 植木剪定料64万
 つながり総合センターは閉鎖中。この先、どうするかが未定という
状態を勘案すると高いんじゃないか。将来の見通しを含めて、
少し先を見越したお金の使い方が必要。
   
5.石見駅前駐輪場に屋根が無い件
 当初計画では、各地に掲げられている絵のとおり屋根があった。
今は屋根無しで考えているとのこと。「計画変更」をどのように議会
や住民に諮ってゆくのか?
   
6.「学童保育」については、提言書に示したように、「当面、現状の環境下
で継続することを踏まえて、子どもたちが利用しやすいよう環境を
整えること。そのために、関係者との対話を行う」よう、お願い
しているが、今回の予算立案およびその執行でどういったケアが
なされたのか、など、提言書のフォローアップが必要。

といったところです。
他にも、何件かあると思いますが、まずは、こんなところ。

H29年3月議会報告(その2)

今回は、「本来の予算審査」について考えてみたいと思います。

議会が予算の議決権を持つ(あくまでも議決権。予算の立案は行政。)こと
で、財政民主主義が成り立っているということで、予算の議決は、民主主義
の根幹にかかわる事柄だと言われています。

「予算をしっかり審議する」と、よく言われますが、それって一体、何をどうすることなんでしょう?
 問題を整理するために、まずは、予算管理ダメダメの状態をイメージしてみましょう。
家計と同じように考えていいと思います。

「個々の案件がどんぶり勘定で無駄が多い。結果として、総額に抑えがきかず膨らみ続ける。」
「目先、落とせない予算だけが残り、長い目で見て必要な本来やるべきことに予算がつけられない。」
ダメダメの典型は、こんな感じでしょうか。

その理由、原因は、
「予算の最終形(本来は総額いくらで、何々費にいくらかける)を定義、イメージしていない。
正解がわからないのだから改善しようがない。」
に尽きると思っています。
 正解の姿、なりたい姿を定義して、それに近づけるように、分析、改善をおこなってゆく。あたりまえの事ですが、これが大切。

もちろん、個々の案件についての予算の適正化も重要ですが、何をもって適正とするか? は、結構難しいものです。もちろん、法外な値段のものは別ですが、通常の出費の場合、家計でも同じで、強い意志を持って、いくら以内に抑える、とか、半分にする、とかがなければ、費用を抑制できるものではありません。
すなわち、「個々の案件が世間並みの相場かどうか」だけを見るのでは不十分。そんなものは、各部署で責任持ってやってください、というもの。(言われなくても、既にやってくれていると思いますが。)

ということで、今から、時を戻して、H29年度の予算審議を行えるのであれば、こうやりたかった、ということを書き出しておきたと思います。
この先のフォローアップにも活かせるし、来年にもつなげてゆけると思いますので。

・予算は、策定段階からかかわる。
・策定段階から、予算の思想、ねらい、といった部分を審議する。
・予算の最終形(将来的に、総額いくらで、何費がどれくらい)を示して
 もらい、それに、どのように向かってゆくかを示してもらう。
・個々の事業は、「目的」を明らかにした上で予算額を決める。
・「予算審議は通ったから終わり」で、あとは「予算どおりに事業を行う」
 ではなく、本来の目的達成のために、最小の予算で遂行すべき。
 それを、継続的に監視してゆく。

 私は、町の予算は、まずは、基準財政需要額(地方交付税の基になる数字)
に従うべきではないか、と考えています。基準財政需要額の算定基準が
テキトウで、そんなもののとおりには執行できない、のであれば、算定基準
自体を見直すべき。
また、町の規模が小さいから、執行のためのオーバーヘッドはつきもので、
どうしても、他の自治体よりコストがかかってしまう、というのも疑問です。
もちろん、何の策も講じなければそうなるのでしょうが、我が家の事と思って、
策を講じるべきです。策が「合併」というのも一つの手でしょうが、それでは
あまりに策が無さすぎる。このIT化の進んだ時代、小さくても逞しく生きる
ことはできると思っています。要は、問題と認識してチャレンジするかどうか、
です。

続いて、『H29年度予算の個々案件について』を記してゆきます。
ご期待ください。

H29年3月議会報告(その1)


4月もすでに終わりの時期。桜の花もとっくに散ってしまいました。
大変遅くなりましたが、3月議会の報告です。
議会は、3月10日~24日にかけて、今年度(H29年度)の予算審議を
中心に第一回定例会(3月議会)として開かれ、審議を終えています。
今回、議案等はすべて議会により承認されました。

H29_3gikai.jpg

過去の例にならうなら、翌々月(5月)の広報(みやけ)に、議案
のタイトル名と、一般質問した議員の名前、が掲載されることと
思います。また、H29年度予算については、歳入・歳出の総額とその
構成、我が家の家計にたとえるなら、といったものが掲載されるもの
と思います。(今期の組織改変については4月号で掲載済でした。)

予算の内容は広報に、予算審議の内容については後に譲るとして、
ここでは、
1.予算の総額、基礎自治体として
2.予算の審議(何を審議するか)について
3.議会を終えて(過去3回の議会審議を経て思うこと)
について、記してゆきます。

1.予算の総額(基礎自治体の予算額)

 今年度(H29年度)の予算規模は、およそ36億円。
前年度は、当初予算39億円、補正後36億円。ここ2年ほどは
石見駅前工事等で、30億にいくらか上積みがありますが、おおよそ
のベースは、30億円。3000世帯で30億(世帯あたり100万円)の規模
となっています。これを、多いと見るか、少ないと見るか。。

 世帯あたり100万円という金額は、
「わが家も100万円相当のサービスを受けているはず、そんなにサービスを受けて
いたかな?」といったサービスの受け手というとらえ方と、
「100万円相当の税金(国がしている借金を含む)を基礎自治体が使っている」
という資金の供給者としてのとらえ方の2面がありますが、
ともに、『非常に大きい額』、と思われるのではないでしょうか。
私は、そのように思いました。

国の財政規模が100兆円、半分は地方交付税等で地方に流れているとして
50兆円を5000万世帯で使っている。つまり国のサービスも100万円/世帯程度
の規模であるわけです。県(奈良県)は、4000億、60万世帯程度で、ちょっと
100万円/世帯を切るという感じ。
(ざっくりと、国、県、町が、それぞれ100分の1の規模。)

町は、国の10000分の1程度の予算ではあるけれど、一世帯あたりで考えると、
国と同等の税金を使って、国と同等のサービスを実施しているといえるわけです。
 私たちは、町の行政を、そういう意識を持って見てゆかねばなりません。
国の国防予算5兆円/年と、町の石見駅開発5億円/年、家計から見た場合、
同等の負担であること。同等のサービスを享受すべきものであること。
町が1億円で箱モノを建てるのは、国が1兆円程度の公共事業をやるのと同等。
町が500万円でやるイベントは、国の500億円のイベントと同等。

『町の予算は、1世帯あたりで考えると、国のサービスに匹敵する規模。
 そういった意識の下で、予算審議を行わねばならない。』


2.予算の審議(何を審議するか)

 また、「三宅町は人口も少ないし大きな産業もないのでお金が無い。」
といった言葉を耳にすることがあります。これも、人口が近隣の自治体に
比べて1/3とか1/10とか、そのイメージに引きずられている感があります。

現に、1人あたり、1世帯あたりの予算額を見てみると、三宅町の予算は
十分に高く、橿原や桜井や天理や郡山の2~3割増しとなっている。
「人口が少ないから行政運営が非効率となり、余計にお金がかかっている」
ことが根本原因であると思われますが、それを当然の事と思って受け入れて
いては、将来はありません。

本来、予算審議は、こういった観点のもとで、総額についても、また、
個々の行政のオーバーヘッドについても、議論をすべきなんだろうと、
思います。

 予算の編成権は、行政にあります。議会は、行政が組んできた予算に
ついて、「個々案件の必要性」と「個々案件の費用の妥当性」を審議する、
というイメージがあります。

 でも、本当にこれでいいのかな? と疑問を感じずには、いられません。
「何々は、高すぎる」とか「何々は、やる意味が薄い」「何々には、もっと
お金をかけよ」、これらも必要な事でしょうが、もっと根本的な物、根本的
な事、を議論しないといけないのではないか。

「どういった社会を目指すから、どこにお金をかける」といった事。
基礎自治体レベルでは、税制自体をいじる事は出来ないでしょうから、
やれる事に限界はあるのでしょうが、やれる事はいっぱいあるはず。

『予算審議こそ、目指す社会の姿を審議することから始めるべき』


3.議会を終えて(過去3回の議会審議を経て思うこと)


 3月議会(予算審議)が終わった。年間4回の定例会で最も重要といわれる
予算審議であり、個々の案件に対する質疑や質問は行ったものの、根本的には
空しさが残るものであった。 もちろん、議会には予算制定権も人事権も無い
から、なかなか「思い」を実現する事は難しいのは承知の上のこと。しかし、
たとえそうであっても、「これで良いのか? 重箱の隅を突っついているだけ
じゃないのか?」という思いが、心の片隅に残る。

 今回で3回目の議会だったが、前々回(9月決算)、前回(12月)、に比べ
ると、「空しさ」は小さくなった。それが、予算審議、予算議決に絡めたから
なのか、議会というものの流れが見えてきて、その流れに乗れるようになって、
いろいろ質問できるようになったからなのか。もし、後者であるとすると、
ちょっと注意しなければならない。確かに、確認したい事、聞きたい事を、
スムーズに問えるようになった。自分の考えも、できる限り意思表示した。
忙しかった。それで、「やった気」になっていないか。「慣れ」に流されて
はいないか。たとえ発言が増え、忙しくしていたとしても、本来やるべき事が
やれていないにもかかわらず、「議会はこういうもの」と体が順応してしまう
ことに注意する必要がある。

『常に、初心忘るるべからず』

 別稿で、『今後、予算審査にどう臨んでゆくか』と『29年度予算の個々案件
について』を順に記してゆく予定です。

ごあいさつ
松本健(まつもと たけし)です。

町議会、自治会等を通して、

ずっと住み続けたい町

のために、自治、自立を目指した住民主体のまちづくりに取り組んでいます。

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〒636-0211

奈良県磯城郡三宅町三河613

TEL. 090-8452-5455

E-mail. matsumo.take@gmail.com

プロフィール
松本 健(まつもと たけし)

松本健(まつもと たけし)

昭和37年11月12日生まれ
三宅小学校、式下中学校卒業の後、奈良県立畝傍高等学校を卒業。
昭和60年に大阪大学工学部を卒業ののち、民間企業に入社。
主に神奈川県川崎市でマイクロプロセッサの設計、開発に従事。
2011年5月、同社に26年間勤務の後、故郷三宅町に戻り現在に至る。
2016年7月より、町議会議員として活動を開始。
妻と小学生の子ども1人に高齢の父の4人暮らし。三河在住。

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