ベーシックインカム
12月13日、「ベーシックインカム導入の可能性とその財源についての勉強会」
に参加してきました。

桂木健次先生(富山大学名誉教授)に、
①現在のベーシックインカムに関する議論の紹介
②その財源についての議論の紹介と提案
③関連する話題として地域通貨の実験の紹介
といった内容の講義をいただきました。
私の理解では、
企業雇用を前提とした社会から、生存・生活ありきの社会に代わってゆく中で、
ベーシックインカムという考え方が生まれ、理論だけが先行しているように思われるが、
各地でさまざまな取り組みも行われているということ。
また、日本で実施するには、およそ100兆円(総所得の2割?)の財源が必要となると
言われていること。
一方で、アベノミクス、金融緩和、ヘリコプターマネーと言った財政金融政策の一つとしての
とらえ方。 日本の通貨発行益を利用してベーシックインカムをやってみようという考え。
その中で、国の特別会計の中で動かされる「交付債」「財投債」というもののお話。
などなどで、新鮮で興味深いものでした。


合わせて、関連する話題として、地域通貨のお話がありました。
地域通貨<ぺパ>というもの。
自治体が、古紙(新聞紙)を回収して得る利益の一部で、ぺパ(1ぺパは新聞紙1キロ)という地域通貨を
発行して、古紙の提供者に配る。ぺパは、地域の交通機関や物産販売所で使える(ただし期間限定)と
いうものらしい。古紙回収のエコと、地域交通機関を使うというエコを連結させてゆくしくみとしても着目
されているとのことでした。
さすがに、「通貨発行益」や「信用創造」につながるものでは無いにせよ、
ベーシックインカムと地域通貨を組み合わせると、何か新たなものが生まれる予感
も感じさせられ、ますます興味が沸いてきた一日でした。
に参加してきました。

桂木健次先生(富山大学名誉教授)に、
①現在のベーシックインカムに関する議論の紹介
②その財源についての議論の紹介と提案
③関連する話題として地域通貨の実験の紹介
といった内容の講義をいただきました。
私の理解では、
企業雇用を前提とした社会から、生存・生活ありきの社会に代わってゆく中で、
ベーシックインカムという考え方が生まれ、理論だけが先行しているように思われるが、
各地でさまざまな取り組みも行われているということ。
また、日本で実施するには、およそ100兆円(総所得の2割?)の財源が必要となると
言われていること。
一方で、アベノミクス、金融緩和、ヘリコプターマネーと言った財政金融政策の一つとしての
とらえ方。 日本の通貨発行益を利用してベーシックインカムをやってみようという考え。
その中で、国の特別会計の中で動かされる「交付債」「財投債」というもののお話。
などなどで、新鮮で興味深いものでした。


合わせて、関連する話題として、地域通貨のお話がありました。
地域通貨<ぺパ>というもの。
自治体が、古紙(新聞紙)を回収して得る利益の一部で、ぺパ(1ぺパは新聞紙1キロ)という地域通貨を
発行して、古紙の提供者に配る。ぺパは、地域の交通機関や物産販売所で使える(ただし期間限定)と
いうものらしい。古紙回収のエコと、地域交通機関を使うというエコを連結させてゆくしくみとしても着目
されているとのことでした。
さすがに、「通貨発行益」や「信用創造」につながるものでは無いにせよ、
ベーシックインカムと地域通貨を組み合わせると、何か新たなものが生まれる予感
も感じさせられ、ますます興味が沸いてきた一日でした。
行政視察研修 長野県下條村
10月17,18日で、長野県下條村へ視察研修に行ってきました。
長野県下條村は、特に目立った産業があるわけでもない人口4000人程度の山あいの村でありながら、健全財政と高い出生率で、各地の自治体関係者から「奇跡の村」とも呼ばれたところです。
事の始まりは25年も前に遡るが、当時、議員だった伊藤喜平氏が村長に転身し、改革に着手されました。
改革は、①職員の意識改革→②コスト削減→③人口維持施策、というように進められ、今も、健全財政と高い出生率を現在も維持しています。
当の伊藤村長は、昨年、引退されており、お目にかかることはできませんでしたが、現副町長の宮島さんに、いろいろとお話しを聞くことができました。
宮島さんは、お話の中で、
『いろんな方が、下條村の視察に来られますが、みなさん、「何か、いい方策を一つでも聞いて帰ろう」といった感じでおられる。残念ながら、そういったものをお示しすることはできません。下條村のことが参考にはなるでしょうが、まちづくりに特効薬はありません。「いいな」と思ったら、やってみる。そして、毎年毎年、やったこと、やっていることをきっちり情報公開する。しかありません。必要なのは、①リーダーシップを発揮できるリーダー(首長)、②プロ意識を持った実行者(役場職員)、③自治意識の高い住民、です。そういう環境を作ってゆけば、きっとうまくゆくと思います。
といった事をおっしゃっていて、「なるほどな」と感じ入ってしまいました。
なお、伊藤村長の話は、Youtube等に映像があります。
「下條村 自治体はこうやって運営する」 ① ②
「地域力をいかに育てるか03 講演1(伊藤喜平)_21世紀かながわ円卓会議2013」
さあ、わが町では、どのようにまちづくりを進めて行くのがいいのやら。
基本的なアプローチは下條村のもので間違いないと思う。
まず、職員の意識改革を図り、コスト削減で財源を確保する。
そのようにして確保した財源で、まちづくりを進める。
はじめから、コスト削減に手をつけずに、人口増、税収増、を図って何かをやるのは無理が多いと思う。
下條村は、広大な山あいに集落が散在する(人口密度が低い)状態であることから、生活道路や農道の普請のコストダウンが大きく効を奏したようだが、わが町では、その寄与度は低いかもしれない。しかしながら、住民のみなさんの達成感、自治意識の向上には大きく寄与するものだとは思える。
住民のほうから、まず何かを始める。その何かに、どんどん職員を巻き込んでゆく。 そういった始め方もあるような気がする。

長野県下條村は、特に目立った産業があるわけでもない人口4000人程度の山あいの村でありながら、健全財政と高い出生率で、各地の自治体関係者から「奇跡の村」とも呼ばれたところです。
事の始まりは25年も前に遡るが、当時、議員だった伊藤喜平氏が村長に転身し、改革に着手されました。
改革は、①職員の意識改革→②コスト削減→③人口維持施策、というように進められ、今も、健全財政と高い出生率を現在も維持しています。
当の伊藤村長は、昨年、引退されており、お目にかかることはできませんでしたが、現副町長の宮島さんに、いろいろとお話しを聞くことができました。
宮島さんは、お話の中で、
『いろんな方が、下條村の視察に来られますが、みなさん、「何か、いい方策を一つでも聞いて帰ろう」といった感じでおられる。残念ながら、そういったものをお示しすることはできません。下條村のことが参考にはなるでしょうが、まちづくりに特効薬はありません。「いいな」と思ったら、やってみる。そして、毎年毎年、やったこと、やっていることをきっちり情報公開する。しかありません。必要なのは、①リーダーシップを発揮できるリーダー(首長)、②プロ意識を持った実行者(役場職員)、③自治意識の高い住民、です。そういう環境を作ってゆけば、きっとうまくゆくと思います。
といった事をおっしゃっていて、「なるほどな」と感じ入ってしまいました。
なお、伊藤村長の話は、Youtube等に映像があります。
「下條村 自治体はこうやって運営する」 ① ②
「地域力をいかに育てるか03 講演1(伊藤喜平)_21世紀かながわ円卓会議2013」
さあ、わが町では、どのようにまちづくりを進めて行くのがいいのやら。
基本的なアプローチは下條村のもので間違いないと思う。
まず、職員の意識改革を図り、コスト削減で財源を確保する。
そのようにして確保した財源で、まちづくりを進める。
はじめから、コスト削減に手をつけずに、人口増、税収増、を図って何かをやるのは無理が多いと思う。
下條村は、広大な山あいに集落が散在する(人口密度が低い)状態であることから、生活道路や農道の普請のコストダウンが大きく効を奏したようだが、わが町では、その寄与度は低いかもしれない。しかしながら、住民のみなさんの達成感、自治意識の向上には大きく寄与するものだとは思える。
住民のほうから、まず何かを始める。その何かに、どんどん職員を巻き込んでゆく。 そういった始め方もあるような気がする。

議員研修 防災・自治体財政
しばらく更新が滞ってしまいました。
ここ一か月のことを、UPしてゆきたいと思います。
1月の12、13日、19、20日と、滋賀の研修所で、それぞれ、「防災」と「財政」の研修を受けてきました。
ここの研修は、10月ごろに1回参加させていただきましたが、比較的安価で、距離的にも行きやすいので、内容をチェックしてこれからも、ぼちぼち参加していこうと思っていたものです。
「防災」については、以前より疑問に思っていたことがあります。
2年ほど前、ある友人との話の中、私が行政の非効率さを是正するために「費用対効果」をもっとしっかりやらないといけない、といった話をしているとき、その友人が言った言葉です。
「そんな事言ったって、『費用対効果』で計れないものもあるで。
人の命は、お金には代えられへん。
人命にかかわる事業を費用対効果で語るのは、むずかしいで。」
三宅町でも、近々、役場等の耐震工事をやることになるでしょう。 また、近隣の避難場所についても、問題が山積になっていると思います。これらの事業をどうやって整理して順次片付けてゆくのか、声が上がったところから、いわば、行き当たりばったりに手をつけてゆく、でなく、どういった考えのもとで事案を整理するのか?
今回、明快な解を見出すには至りませんでしたが、さまざまな観点から視界を広めることは出来たと思います。
一つ、『事前復興』という考え方は非常に興味をひくものでした。
被災した後で、いざ復興、は実は非効率。被災する前から、復興後にどういった都市を目指すのかを十分に話し合って決めておく。さらに一歩進めて、被災する前から復興後の都市の姿に近づける活動をしてゆく。といったものと理解しました。
もう一点。防災の先進事例では、必ずと言っていいほど、「自主防災」の組織が前に立って活動しているようです。「防災」こそ、コミュニティの力、自治の力が問われる、発揮されるものであり、それは、行政の組織よりも住民自身の力にかかっている、という事を自覚した研修でありました。


次は、「自治体財政」の話です。
かねてより、「三宅町は、小さな町で、大きな産業もなく、(行政として)お金もない。」と、よく耳にします。
何をやるにしても、「お金がないから無理」。
何かをやる提案をしても、お金がない、で済まされてしまう。
たしかに、何かをやるためには、財源を確保する必要がある。それは、もっともな事。
行政、政策を考える上で、「財政の裏付け」はとても重要。
そのため、基礎知識として、お金の流れを一度学んでおく必要があると思い、この研修に参加することにしました。
私は、よく言われる、「消滅可能性都市」みたいな話は、眉唾物だと思っています。
人口が減少することで、行政の機能が果たせなくなる自治体が現れる、という話のようですが、
そもそもは、人がいて、集落があって、共同でやることを行政がやるのであり、
行政のやることがあって、税収が必要で、人が必要、って、順番が逆ではないかと。
国の立場からゆくと、地方交付税により全国均一なサービスを実現できるようにする責務を考えて、
地方交付税が必要な自治体がどんどん増えていってもらっては困る、という気持ちも、わからないではない。
地方交付税がどのように決められていて、国がどれだけの財政負担を持つことになっているのか、も含め、
地方自治の財政を広く知っておきたい、という気持ちもありました。
そもそも、地方交付税ってなに?
ひとつは、
税収が、国:地方=6:4であるのに、サービスは、国:地方=4:6で、この不均衡を補うために、国税を地方に移すもの。
そして、
地方税収は、そのままでは、都市部とそうでないところでばらつきがあり公平なサービスを実施できない。そのばらつきを是正するためのもの。
このとき、
必要なサービスの総量を、国が税で補えないとして、国債で補てんして地方交付税に回している、という。
必要なサービスの総量は、基準財政需要額、として算定されているらしい。
地方交付税に頼っていること自体は、全然恥ずかしくないし、これ自体を、「親からの仕送り」みたいに言うのは、とんちんかんな話。 地方財政の黒字化を目指すにしても、他の自治体と、同じパイを奪い合うようなものでは意味がない。ふるさと納税なんか、それの最たるもの。など、いろいろ考えてしまいます。
研修の最後には、これからの国の財政改革の流れ、交付税をどうしてゆこうとしているか、地方にどうやってがんばってもらおうとしているか、などの話もあり、興味深く学ばせていただきました。


防災も、財政も、「ずっと住みたいまち」、には、欠くことのできない課題ですから、
しっかりと活動に結びつけてゆきたいと、あらためて思う、今日このごろでした。
ここ一か月のことを、UPしてゆきたいと思います。
1月の12、13日、19、20日と、滋賀の研修所で、それぞれ、「防災」と「財政」の研修を受けてきました。
ここの研修は、10月ごろに1回参加させていただきましたが、比較的安価で、距離的にも行きやすいので、内容をチェックしてこれからも、ぼちぼち参加していこうと思っていたものです。
「防災」については、以前より疑問に思っていたことがあります。
2年ほど前、ある友人との話の中、私が行政の非効率さを是正するために「費用対効果」をもっとしっかりやらないといけない、といった話をしているとき、その友人が言った言葉です。
「そんな事言ったって、『費用対効果』で計れないものもあるで。
人の命は、お金には代えられへん。
人命にかかわる事業を費用対効果で語るのは、むずかしいで。」
三宅町でも、近々、役場等の耐震工事をやることになるでしょう。 また、近隣の避難場所についても、問題が山積になっていると思います。これらの事業をどうやって整理して順次片付けてゆくのか、声が上がったところから、いわば、行き当たりばったりに手をつけてゆく、でなく、どういった考えのもとで事案を整理するのか?
今回、明快な解を見出すには至りませんでしたが、さまざまな観点から視界を広めることは出来たと思います。
一つ、『事前復興』という考え方は非常に興味をひくものでした。
被災した後で、いざ復興、は実は非効率。被災する前から、復興後にどういった都市を目指すのかを十分に話し合って決めておく。さらに一歩進めて、被災する前から復興後の都市の姿に近づける活動をしてゆく。といったものと理解しました。
もう一点。防災の先進事例では、必ずと言っていいほど、「自主防災」の組織が前に立って活動しているようです。「防災」こそ、コミュニティの力、自治の力が問われる、発揮されるものであり、それは、行政の組織よりも住民自身の力にかかっている、という事を自覚した研修でありました。


次は、「自治体財政」の話です。
かねてより、「三宅町は、小さな町で、大きな産業もなく、(行政として)お金もない。」と、よく耳にします。
何をやるにしても、「お金がないから無理」。
何かをやる提案をしても、お金がない、で済まされてしまう。
たしかに、何かをやるためには、財源を確保する必要がある。それは、もっともな事。
行政、政策を考える上で、「財政の裏付け」はとても重要。
そのため、基礎知識として、お金の流れを一度学んでおく必要があると思い、この研修に参加することにしました。
私は、よく言われる、「消滅可能性都市」みたいな話は、眉唾物だと思っています。
人口が減少することで、行政の機能が果たせなくなる自治体が現れる、という話のようですが、
そもそもは、人がいて、集落があって、共同でやることを行政がやるのであり、
行政のやることがあって、税収が必要で、人が必要、って、順番が逆ではないかと。
国の立場からゆくと、地方交付税により全国均一なサービスを実現できるようにする責務を考えて、
地方交付税が必要な自治体がどんどん増えていってもらっては困る、という気持ちも、わからないではない。
地方交付税がどのように決められていて、国がどれだけの財政負担を持つことになっているのか、も含め、
地方自治の財政を広く知っておきたい、という気持ちもありました。
そもそも、地方交付税ってなに?
ひとつは、
税収が、国:地方=6:4であるのに、サービスは、国:地方=4:6で、この不均衡を補うために、国税を地方に移すもの。
そして、
地方税収は、そのままでは、都市部とそうでないところでばらつきがあり公平なサービスを実施できない。そのばらつきを是正するためのもの。
このとき、
必要なサービスの総量を、国が税で補えないとして、国債で補てんして地方交付税に回している、という。
必要なサービスの総量は、基準財政需要額、として算定されているらしい。
地方交付税に頼っていること自体は、全然恥ずかしくないし、これ自体を、「親からの仕送り」みたいに言うのは、とんちんかんな話。 地方財政の黒字化を目指すにしても、他の自治体と、同じパイを奪い合うようなものでは意味がない。ふるさと納税なんか、それの最たるもの。など、いろいろ考えてしまいます。
研修の最後には、これからの国の財政改革の流れ、交付税をどうしてゆこうとしているか、地方にどうやってがんばってもらおうとしているか、などの話もあり、興味深く学ばせていただきました。


防災も、財政も、「ずっと住みたいまち」、には、欠くことのできない課題ですから、
しっかりと活動に結びつけてゆきたいと、あらためて思う、今日このごろでした。
地域の自治のこれからを考えるフォーラム
11月19日、政策研究ネットワーク「なら・未来」が主催する、地域の自治を考える連続セミナーの第13回目、
「地域の自治のこれからを考えるフォーラム」に参加してきました。

最初に、基調講演として、「これからの自治体運営と地域自治の可能性」、があり、そのあと、
地域自治に関するパネルディスカッションが行なわれました。
基調講演では、大学の先生が、「地方自治の本旨」といったところから、体系的に説明してくださいました。
私の理解の範囲で、簡単にかいつまむと、以下のようになります。
地方自治には、団体自治と住民自治、がある。
団体自治は、団体(=地方公共団体)が自治を行うこと。
住民自治は、自治を行う団体(=地方公共団体)を、住民が民主的に統制すること。
このしくみが、いろんな意味で危機をむかえる中で、それらを補うなどのために、
地域住民がみずから行う地域自治というものが各地で登場してきている。
地域自治は、地域住民による任意の民間団体。 従来からある、地域毎の班、自治会、自治会連合会、などや、
小学校区単位程度の規模での、こども会、PTA、婦人会、老人クラブ、など。
特に、平成の大合併などで、団体自治が、地域の細かな対応が行えなくなり、自治会に行政サービスの一部機能を委譲するような動きが広がり、主に、小学校区単位ぐらいの規模で、自治協議会、とか、自治振興会、というものが組織されるようになってきた。(以下、自治協議会、と称す)
この、自治協議会、というもの、従来の自治会の集合体(=自治会連合会、自治会長会)ではなく、小学校区内の他の任意団体(子ども会、PTA、婦人会、老人会、民生委員、防犯)をも束ねるようなもののようである。
立ち上げにあたって、地方自治体と自治協議会の関係、役割分担、自治会と自治協議会との関係、役割分担、がなかなか整理できなかったり、立ち上げたのもの、やはり、これらの関係を明確にする必要が生じてきている、ということらしい。
パネルディスカッションでも、住民による、住民のための自治の仕組みづくりを求めて、いろんな経験が語られました。
もともと、奈良市で、自治連合会が働きかけて、「地域自治協議会」に関する条例化を行おうとして議会に否決された、
などが、このセミナーの背景にあったようです。

常日頃から、自治会って何なんだろう?
と思っていた私ですが、あらためて、自治会の可能性をイメージすることができました。
「地域自治組織は、自治体の下部組織ではなく、自治体を民主的に統制する役割を負うべき」
「あくまでも任意団体であり、民主的である必要はあるが、結局は、自治体への圧力団体である」
「自治体を統制する役割を負うためには、有力な圧力団体であることは不可避」
バランスをとることは大切だが、それなりに民主的に、圧力団体としてたくましく、が、自治体のあるべき姿なのかもしれない。
「地域の自治のこれからを考えるフォーラム」に参加してきました。

最初に、基調講演として、「これからの自治体運営と地域自治の可能性」、があり、そのあと、
地域自治に関するパネルディスカッションが行なわれました。
基調講演では、大学の先生が、「地方自治の本旨」といったところから、体系的に説明してくださいました。
私の理解の範囲で、簡単にかいつまむと、以下のようになります。
地方自治には、団体自治と住民自治、がある。
団体自治は、団体(=地方公共団体)が自治を行うこと。
住民自治は、自治を行う団体(=地方公共団体)を、住民が民主的に統制すること。
このしくみが、いろんな意味で危機をむかえる中で、それらを補うなどのために、
地域住民がみずから行う地域自治というものが各地で登場してきている。
地域自治は、地域住民による任意の民間団体。 従来からある、地域毎の班、自治会、自治会連合会、などや、
小学校区単位程度の規模での、こども会、PTA、婦人会、老人クラブ、など。
特に、平成の大合併などで、団体自治が、地域の細かな対応が行えなくなり、自治会に行政サービスの一部機能を委譲するような動きが広がり、主に、小学校区単位ぐらいの規模で、自治協議会、とか、自治振興会、というものが組織されるようになってきた。(以下、自治協議会、と称す)
この、自治協議会、というもの、従来の自治会の集合体(=自治会連合会、自治会長会)ではなく、小学校区内の他の任意団体(子ども会、PTA、婦人会、老人会、民生委員、防犯)をも束ねるようなもののようである。
立ち上げにあたって、地方自治体と自治協議会の関係、役割分担、自治会と自治協議会との関係、役割分担、がなかなか整理できなかったり、立ち上げたのもの、やはり、これらの関係を明確にする必要が生じてきている、ということらしい。
パネルディスカッションでも、住民による、住民のための自治の仕組みづくりを求めて、いろんな経験が語られました。
もともと、奈良市で、自治連合会が働きかけて、「地域自治協議会」に関する条例化を行おうとして議会に否決された、
などが、このセミナーの背景にあったようです。

常日頃から、自治会って何なんだろう?
と思っていた私ですが、あらためて、自治会の可能性をイメージすることができました。
「地域自治組織は、自治体の下部組織ではなく、自治体を民主的に統制する役割を負うべき」
「あくまでも任意団体であり、民主的である必要はあるが、結局は、自治体への圧力団体である」
「自治体を統制する役割を負うためには、有力な圧力団体であることは不可避」
バランスをとることは大切だが、それなりに民主的に、圧力団体としてたくましく、が、自治体のあるべき姿なのかもしれない。
テーマ : 政治・地方自治・選挙
ジャンル : 政治・経済
議員研修 ニセコ町長:片山健也さんほか
10/6~10/7で、「町村議会議員特別セミナー」に滋賀まで行ってきました。


初日に、北海道ニセコ町町長の片山健也氏の講義があるとのことで、これに惹かれて参加を決めたものです。
今回のものではありませんが、2014年に、「住民自治と自治体改革」というタイトルで話された内容が、ここにあります。
実は、私の議員への挑戦は、この記事に遭遇し、魅せられ、地方自治の可能性を感じたところが、始まりでもありました。
ニセコ町は、住民自治の先駆的な所(と、一般的にはとらえられている)です。
ニセコは、前(の前?)の町長、逢坂 誠二さんが、まちづくり基本条例を作るなど、住民自治を進められたことでも有名ですが、
その流れをくんで、今も、住民自治の最先端を走っているようです。 先のページは、まちづくりを考える際に大変参考になりました。
今回、生でお話を聞かせていただく事が出来たおかげで、これらの話を現実のものとして受け止め、改革の決意を新たにすることが出来ました。
情報公開では、「情報はそもそも住民のみなさんのもの。庁内の会議は基本的にすべて傍聴可能。未決済の文書、メモも、全てオープン。理由があって開示できないもののほうを明示的に指定するようにしている。」 情報公開、というより、情報を共有する、というほうが現実に即した言い方。 というスタンスのようです。
住民参加のまちづくりとしては、「政策意思形成過程を非公開として、原案を職員が作成し、審議会の意見やパブコメによる修正を経て決定」ではなく、「白紙の段階から、政策意思を最適化していく過程にこそ、住民が参加すること」を重視しているようです。
こういった過程を経て、道の駅や温泉センターなどが建設されたとのことでした。
石見駅や三宅インター、歴史遺産関連の開発も、ぜひ、こうありたいものです。
また、このセミナーで2日目に講義していただいた、木村俊昭さんも、非常に魅力的でありました。
最初は、小樽市役所に勤務されていたようですが、一貫して、まちづくり、まちおこし、にかかわり、今は、全国各地を飛び回られているとのこと。著書も多数あり。お話は非常に面白い、というか面白すぎて、内容を忘れてしまいがち。後で、書籍を何冊か読み、なるほど、と思った次第です。
木村さんは、さまざまな、まちおこしの具体的な手法を、実例を交えて話されていました。
「基本は、自分の強み、弱みを知ること。そのためには、外をよく見て比べること。」
「個別部分最適ではなく、全体最適で方策を打つこと。」
「行方(なめかた)市の例で、行政とJAと農家と企業が、全体最適のまちおこしを実行。プロデューサー人材が重要。」
「まちおこしのために、税金を優遇して企業誘致する、なんて、ナンセンス」
などなど。
ほかにも、今回の研修を通して、他地区の議員さんや、講師の方々など、新たな出会いを持つことができました。
さまざまな、人との出会い、情報との出会い、を大切に、歩んで行きたいと思います。


初日に、北海道ニセコ町町長の片山健也氏の講義があるとのことで、これに惹かれて参加を決めたものです。
今回のものではありませんが、2014年に、「住民自治と自治体改革」というタイトルで話された内容が、ここにあります。
実は、私の議員への挑戦は、この記事に遭遇し、魅せられ、地方自治の可能性を感じたところが、始まりでもありました。
ニセコ町は、住民自治の先駆的な所(と、一般的にはとらえられている)です。
ニセコは、前(の前?)の町長、逢坂 誠二さんが、まちづくり基本条例を作るなど、住民自治を進められたことでも有名ですが、
その流れをくんで、今も、住民自治の最先端を走っているようです。 先のページは、まちづくりを考える際に大変参考になりました。
今回、生でお話を聞かせていただく事が出来たおかげで、これらの話を現実のものとして受け止め、改革の決意を新たにすることが出来ました。
情報公開では、「情報はそもそも住民のみなさんのもの。庁内の会議は基本的にすべて傍聴可能。未決済の文書、メモも、全てオープン。理由があって開示できないもののほうを明示的に指定するようにしている。」 情報公開、というより、情報を共有する、というほうが現実に即した言い方。 というスタンスのようです。
住民参加のまちづくりとしては、「政策意思形成過程を非公開として、原案を職員が作成し、審議会の意見やパブコメによる修正を経て決定」ではなく、「白紙の段階から、政策意思を最適化していく過程にこそ、住民が参加すること」を重視しているようです。
こういった過程を経て、道の駅や温泉センターなどが建設されたとのことでした。
石見駅や三宅インター、歴史遺産関連の開発も、ぜひ、こうありたいものです。
また、このセミナーで2日目に講義していただいた、木村俊昭さんも、非常に魅力的でありました。
最初は、小樽市役所に勤務されていたようですが、一貫して、まちづくり、まちおこし、にかかわり、今は、全国各地を飛び回られているとのこと。著書も多数あり。お話は非常に面白い、というか面白すぎて、内容を忘れてしまいがち。後で、書籍を何冊か読み、なるほど、と思った次第です。
木村さんは、さまざまな、まちおこしの具体的な手法を、実例を交えて話されていました。
「基本は、自分の強み、弱みを知ること。そのためには、外をよく見て比べること。」
「個別部分最適ではなく、全体最適で方策を打つこと。」
「行方(なめかた)市の例で、行政とJAと農家と企業が、全体最適のまちおこしを実行。プロデューサー人材が重要。」
「まちおこしのために、税金を優遇して企業誘致する、なんて、ナンセンス」
などなど。
ほかにも、今回の研修を通して、他地区の議員さんや、講師の方々など、新たな出会いを持つことができました。
さまざまな、人との出会い、情報との出会い、を大切に、歩んで行きたいと思います。