県立工科大学見直しの地元説明会(7/20)
令和5年7月20日 山下知事が三宅町石見公民館で説明会を開催。
知事は、従前からの中止理由(設置しても県内への就職は多く見込めない。産官学連携への寄与も低い。優秀な学生、研究者を集めるのは難しい。)を説明。
住民からは、
1.大変な事業であることは当初から解っている。その上での事業着手だったはず。
2.学校でなければ買収には応じなかった。
3.企業誘致でどのように町おこしするのか代案が必要。
4.大学もやり方次第。出来ない理由ではなく、どうやって実現するのかを考えてほしい。
5.町のこと県のことを長い目で見て事業を提案してほしい。
といった意見が出された。
ニュース報道によると、説明会後の記者インタビューに対して山下知事は、
「大学をもう一回やってほしいという意見が大半だったと思いますが、少なくともその考えはございませんので、大学では無い形で地域の発展に資するような土地の利活用の方法を考えていかなければならない」
と発言。
地元説明会の質疑応答の中では、
「お金の使い途は、県民の総意を踏まえなければならない。ひとりひとりアンケートを取ることはできないが、私は選挙というもので県民が示した判断に従っているとご理解いただければと思う。」
と発言。
総合すると、
「県民の民意に従い、うまくゆくかどうかわからないプロジェクトにお金を使うよりも、着実に県民に資するところにお金を使いたい。」
という事なんだろう。
今、大学設置には320億円かかると言われている。その320億円を使って、中南和地区の発展に資する事業を行うのではなく、中南和地区の発展に資する事業はお金をかけずに行ない、浮いたお金で「着実に県民に資する事業」をやるというところが本音なのだろう。「着実に県民に資する事業」って何?
(大阪のように)、(私立)高校無償化と言っているが、それで結果的に公立高校を減らしていくことが「着実に県民に資する事業」なのかどうか?
足元では、小中学校の統廃合があちこちで問題になっている。少人数クラス化も遅々として進まないどころか、それに逆行するような学校の統廃合問題。
本来なら国がやるべき問題に対して、国がやらないから県がやる。「奈良県ではこれから10年かけて、大学の320億を使って小中学校の少人数学級と県内の校舎修復をやる。」とかの道は検討の余地があるのではないだろうか。(中南和の発展に資する事業は別にやる必要があるが)
松本まとめ (住民からの質疑内容を記載)
NHKのニュース 学校については無い。
新しい事が無いのにもう一回開いても仕方ない。
代案?、早急に詰めてゆきたいとは思っている。
三宅町民のみなさんへ
本日7月19日、町会議員3名(渡辺さん、森内さん、と私)の連名で、
三宅町内に、新聞折込のちらしを入れさせていただきました。
三宅町内に、新聞折込のちらしを入れさせていただきました。
山下新知事の、県立工科大学設置を中止するという意思表示に対するものです。
三宅町を、そして奈良県をどのようにまちづくりしてゆくか、住民参加で、みんなで議論して作り出してゆきましょう。
明日、7月20日には、対象者を、「地権者 地元関係者(石見自治会・石見耕地組合)」に絞った説明会が開催されるとのことです。 民主主義がこれから始まるのかどうか、地域主権力が問われているのだと思っています。
令和5年6議会の報告ちらし
令和5年6月議会の報告ちらしを作成しました。
6月議会の前に、山下知事の事業の見直しの話がありました。
私は、奈良県がどうするかは、日本がどうするかでもあり、また、自分自身がどうするかにもつながる話だと思っています。
大学設置は確かに難易度が高い。知事が本気でやる気にならないとむずかしいでしょう。
一方で、知事にとっても、ライフワークとする価値のあるものだと思っています。
戦後、先人の方々が頑張って作り上げてきた今の日本を、次のステップに切り替えて次世代に伝えてゆくことを、私たちの世代がやらないといけないんだけど。。。。
(P2,P3に知事へのお手紙を記載しました。)
今回の配布は、タウン誌のマイタウンと一緒に配ってもらおうとしています。(7/22~7/28の予定)
6/12の知事記者会見(査定結果発表)
令和5年6月12日に、山下知事は今年度予算の執行停止に関する査定結果の発表がありました。
三宅町の県立工科大学に関連するところのYoutubeリンクを以下に列挙。
★説明
説明1:県立工科大学の新設について
説明2:大和平野 三宅は地権者に説明に行っても良い
★Q&A
選挙結果と覚書、磯城郡3町とは協議を継続することで合意
議会、議論の結果、有益な意見を取り入れることも有り得る
教育関係者の反応
県外流出を抑える案 大学ではなく企業、魅力ある職場
費用対効果では不利な郡部への県としてのアプローチ
磯城郡に大学無しで企業誘致することの現実性
★知事の論理
大和平野中央については、
「産学官連携、県内企業育成、事業創出は、大学を作るのではなく新たな方策を調査検討」
「本当に産業の振興と雇用の確保につながる事を検討しよう」
「そもそも中南和の振興は、大学ではなく企業、魅力ある職場づくりにある。」
「地域もたぶんそれを望んでいる。」
質疑応答の中で、
中南和の振興には特効薬は無い。どうやって観光(インバウンド)を取り込むか、
もしくは、農林業を産業として成り立たせるか。といった事も言っていた。
★中南和をどうしてゆくか
要は、「大和平野中央の振興に、大学もサッカー場も不要。必要なのは企業誘致。」
一見、常識的だが、中南和の振興については、自由競争下で競争力の高い企業を呼べるようにするか、みずからの産業の競争力を高めるしかない、ということにすぎない。
「中南和をなんとかしよう」といった強い意思は感じられない。そのような社会や経済への根本対策は行なわず、広く薄く県費でサービスを充実させるという県政なのだろう。
たぶん、いつまでたっても、中南和、農林業への解は見いだせない。県政にそれを期待するのは酷な話という考えもあり、常識的といえば常識的。
これは、私の考える「みんなで豊かになる社会」への道とはちょっと違う。
★民主主義
一方で、ここまでの山下知事の動きは、ある意味民主主義的であり評価できる。
政治によって社会は変わるという事を具現化している。
もちろん選挙結果が全てではない。
知事に全権を委任しているわけではない。
県費で行う事業が全くトップダウンで決められて良いものではない。
この先、知事からの意思表示に対して、住民は対話を持って答えなければならない。
そしてその声をどのように行政に反映させてゆけるかが次の民主主義のステップになる。
特に、大和平野の案件などに関しては、
この先の中南和の振興をどのように考えてどういった対策を講じてゆくか
といった簡単に正解の出ない政治課題が横たわっている。
そんな事は国の仕事と言わず挑戦してほしい。
いや、県ぐらいのほうがちょうど良い単位だとも思っている。
2元代表制で広域行政を司るところなのだから。
住民、そして住民に最も近い基礎自治体が、
県が飴玉をくれると言っていた。
ある時、飴玉はダメと言われた。
だったら飴玉でなくても良いから何か甘いものをくれ。
何を与えてもらうかは県が決めること、
では寂しい限り。
R5 6月三宅町議会の報告(初日)
6月9日、令和5年度三宅町議会 第2回定例会(6月議会)が開かれました。
議会は、6月9日(初日)、6月12日(委員会)、6月19日(最終日)
の予定です。
議会開催が告げられ、主な議案は委員会に送られて、その後一般質問(6名)が行われました。
以下、私の一般質問関連を記します。
(私自身のとらえ方でまとめています、正式には会議録やYoutube動画をご参照ください。)
私の一般質問は3件です。
①選挙公報の話
(質問の主旨)
3年前の町長選挙の後、一般質問で、選挙公報(立候補者が一同に政策を述べた公の資料)の必要性を説いた。今回、近隣町村で供託金制度導入に合わせて公報を出すところも出てきたが、三宅町では導入されなかった。どのような検討のプロセスを踏んで出さないと決めたのか?
(選管事務局回答)
3年前、質問を受けた後、選挙管理委員会で検討し、「実施すべき」との結論に達したが、本年の1月に議会と協議して見送ることとした。
(再質問等)
議員全員に公の場で諮られたものではないと思うが、その時の資料、記録は出せるか?
いずれにせよ、選挙管理委員会は、中立、いわば独立の組織。組織として答申をあげるべき。もし、議会が賛同しなかったというのが事実であるならば、深堀が必要なので、あらためて選管が「実施すべき」と結論づけた資料と会議結果を提出していただきたい。なければ再度調査して資料を作成していただきたい。来年に町長選挙があるので、それに間に合うように選挙公報の実施をお願いしたい。(選管からは「検討する」との回答)
②事例分析の話
(質問の主旨)
5月の臨時会で承認した「著作権侵害の和解」などに関連して、本庁での失敗事例の分析の状況を問う。
(町長回答)
担当課内で分析の後、弁護士の支援を受け、事務手続きや(庁内の)構造的な欠陥を解析した。
(再質問等)
失敗事例は貴重なもの。そこから少しでも多くの学びを得るためには、より広く、深く分析して学び合う必要がある。担当課内だけでなく、異なる部門でも広く分析会が行われたか? 関連する、連想する事象をどこまで深堀できたか、が大切。
本件の場合、担当者と上司の間の日々のコミュニケーションや報告のしくみを話し合うことや、そもそも法的な事への対処法(顧問弁護士でなく職員として有資格者を採用するなど)の議論が考えられる。 参考にしていただきたい。
③県立大の話 <質問全文と、同様の内容を山下知事に宛てた要望を以下に添付します。>
(質問の要旨)
県立工科大学の設置を「我が事」ととらえて、知事の言う「工学部は既にある」「磯城郡は他県から人を呼ぶには不便」という主張を吟味する必要がある。町長はどう考えるか?
(町長の回答)
知事はハコモノ行政の見直しを掲げて選挙に勝利した。三宅町民も奈良県民。知事が得た民意を否定はできない。今後、町民の理解を得ながら、冷静に注視して見直しの議論にも応じてゆく必要がある。
(再質問等)
県の事業だからと言って注視するのではなく、それを決めるのは住民である事、住民に一番近いのは基礎自治体、この場合は三宅町である事を認識して、県との協議、対話に臨んでいただきたい。知事選挙で勝利したからといって県民が全権を委任しているわけではない。
もう一点。費用対効果という言葉がよく使われるが注意が必要。費用にしても効果にしても、ある前提条件の上で算出しているものであり万全ではない。それに全てを委ねることなく、その事業の必要性を中心に政策を判断するが、費用対効果も参考にする程度で考える必要があると考えます。ご参考まで。
所感)
①②。 選挙公報は来年の町長選には実施されることになると思う。これは一つの進展。
事例分析や、業務の日々の記録やコミュニケーションなどは事あるごとに声をあげるしかないと思っている。
③。 これまで再三、三宅町として県立大学をどうとらえてどう活用してゆくのかを問うてきたが、「大学自体は県の事業。町は土地集約や周辺整備でお手伝いする。」といった姿勢だった。この期に及んでも同じ姿勢。基本的な姿勢として、町民の意思を伝えるのではなく、県の意思を町民に説明する、という印象を受けた。
そもそも町長にとって県立大は、みずから進んで是非ともやりたい事業というわけでは無かったのかもしれないと思ったのは私だけだろうか?